2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

殴られに行くと当然のように痛いけど、そこでUFOと邂逅する

本を読むことについて考えています。 読書をするということは、その語り手に殴られに行っているのではないか、と思うときがあります。もちろん、著者が人を殴ろうと思って語っているわけではありません(そういう著者もいるでしょうが)。あくまでも、私が殴ら…

残影

書くなといわれ わたしは書いた 手の届く広さで 微かな音を聞く 手放したのは言葉 吹き抜けたのも言葉 開いたてのひらを じっと見つめ その痕跡を いつかの景色 いつかの声 思い出せ 忘れるために 刻み込め 手放さないため わたしを見ている あなたのために …

覚めない夢、どん底としての今

永井均さんという哲学者の本に『私・今・そして神』というものがあります。その中に、夢を思い出すことについて書かれた箇所があるのですが、そこを読んでいて、一度も見ていない夢を思い出すことについて書きたくなったので、少し長くなりますが引用してみ…

言葉の旅人、しかし三流

もともと、私は何か書きたいことがあって書くということがない人間です。じゃあ何故書いているのかというと、たんに書かずにいられないので書いているというだけで、何か主張したいことがあるわけではありません。どちらかといえば、書くこと自体が目的で、…

ぼんやりしていたことに はっと 気がついた ここはどこだろう どれぐらい こうしていたのか 目が覚めると 知らないところにいて 知らないひとたちと 知らないことをしている あれ 次はなにをするのだろう 何もわからず わからなくて 焦りが 世界を白くする …

言葉

言葉に助けられ 言葉に支えられ ここまで歩いてきた ずっと探している言葉 わたしだけの言葉 どれだけの言葉を写せば わたしの言葉を見つけられるのか 言葉は訪れ去っていく 内から湧き出る言葉など 何一つとしてないわたしに 誰かが訪れ去っていく (待って…

わからないだけで書く

何かを書こうとしているとき、何を書こうとしているのか、僕自身よくわかっていません。そもそも書きたいことなんて特にないのです。誰かに見られたところで、良くも悪くも何の影響も与えないであろう文章を、なぜ書こうとしているのかなんてわかるわけがあ…

痛みで涙を流すとき それはあなたの痛み わたしは涙を見つめる 雫は表現の手段 痛みそのものはあなた あなただけのもの わたしも涙を流す それはわたしの痛み 痛みは伝わったのではない 人の痛みを痛むなど どうしてできるのか! 痛みを表現できるのは 一人…

夜を超えた向こう側にある夜に行こう ねえ ずっと夜だったらいいのにね 朝は嫌い 起きられないんだもの ぴかぴか光るし きっと目にも悪いよ 夜は優しい お月様は眩しくない 雨が降ってきたけど平気 歩こう ねえ この先には朝があるのかしら あの雫だって 大…

嘘を吐く

嘘から出たまこと、という諺があります。嘘を吐いたつもりで話したことが本当に起こった、という状況を表した言葉です。 例えば、有名な狼少年の話があります。退屈しのぎに、狼が来たぞと嘘を吐いて村の人たちを困らせていた少年が、いざ本当に狼がやってき…

同じものを描写する

いつも同じものを見ているのだと思います。それが何なのかはよくわかっていません。知りたい気持ちはあるのですが、理解したいわけではありません。手で触れたり、香りを嗅いだり、味わったり、声を聞いたり、そういうことができればいいのですが、どうも見…

一緒に渡るものは傘を携えている

橋を渡るとき、何かが一緒に渡っています。怖い話ではありません。もっと、比喩的な何かです。或いは、単なる妄想です。一緒に橋を渡る人は、傘を持っています。そして、一緒に橋を渡ります。ただ、それだけです。だからなんなのだと言われると、どうしよう…