橋の上でたむろする

久しぶりに自転車に乗って遠出をしていると、橋でカラスがたむろしているのに出会った。
よくゴミの日なんかに電柱に集まって獲物を狙っているのは見かけるけど、特に彼らにとって何もないような場所に集まっているのが新鮮に感じた。
人間で考えれば別におかしなことは何もないのかもしれない。
カラスに限ってそれが珍しいと感じるのは、シンプルにカラスが大きいので目を引くからだろうか。
カラスといえば、彼らが地面をケンケンみたいに跳ねるのが好きだ。
あれは可愛い、心が癒やされる。
しかし、猫なんかを見ていても思うのだけど、動物の可愛さというのは擬態に似ているような気がする。
本人たちが選ぶのではなく、環境が可愛さを選ぶ。
逆に考えれば、人間は自分の意志で可愛くなれる余地がある分、生物の中では可愛くなりやすい部類なのかもしれない。
たむろする人間というのは、可愛いのか。
学生時代、狭い部室で行く宛のない部員たちが暇を持て余していた。
当時、すでに随分と時代遅れだったファミコンでよく遊んでいた先輩は元気だろうか。
そんな取り留めの無いことを、きっとカラスたちは話してはいない。