本棚と他人

他人の本棚というのは魅力的です

自分が知らない本が、いっぱい収められている

でも、実際他人の本棚を見る機会は多くありません

小さい頃は、押し入れの本棚、叔父の本棚、祖父母宅の本棚、

を見るのがとっても好きでした。

 

読むことも好きだったのですが、眺めることも好きでした

叔父の本棚に入っていた、サンコミックスゲゲゲの鬼太郎のカバーだけ外して、

並べて眺めていたこともあります

(後で、むちゃくちゃ怒られました)

その当時の自分では、全く意味が分からないような難しい本が並んでいるのも、

不思議な気持ちで見ていたような気がします

 

本が好きだというよりは、本棚のある空間が好きでした

学校や児童館の図書室は、また違いました

空間自体は好きだったのですが、他人が近くにいるのが嫌いでした

まあ、公共の場所なので仕方ないのですが、本がたくさんある場所で、

自分一人でいることが、当時の僕にとって大事だったのかもしれません

 

本に囲まれていると、本の存在感に自分が規定してもらえる、

ような気がします

それは、読んでる読んでないにかかわらず、漫画だろうが専門書だろうが、

関係ないのです

本の存在感というのは、僕にとって、物としての重さとよくわからなさでした

上手く言えませんが、「場所をとる」ということと、「知らない」ということ、

その二つが関係しているような気がします

 

書いていて思いましたが、他人と似ているのかもしれません

本も人も場所をとりますし、本の事も人の事も僕は知りません

ただ、似ているのかもしれませんが、同じではないでしょう

本は待ってくれるけれど、待ってくれません

他人は待ってくれないけれど、待ってくれます

よく考えれば、同じことなのかもしれませんが

 

2017.7.14